帯広市出身で全盲の阿部喜章さん（６４）＝滋賀県在住＝が今夏、富士山登頂に成功した。帯広でボーイスカウトとして共に活動した５０年来の幼なじみ、横山範夫さん（６３）＝埼玉県在住＝らの支援で実現した快挙だった。阿部さんは「天の恵み、地の恵み、人の恵みのおかげで頂上に立てた」と喜んでいる。 阿部さんは帯広市内で写真スタジオを経営していた時に目の病気を患い、４２歳で失明した。その後、鍼灸（しんきゅう）師の資格を取得し十勝管内の病院に勤務。２００６年、定年を機に長男の住む滋賀に移り、針灸治療室を開業した。富士登山を目指したのは還暦の年。本格的な登山経験はなかったが、「何かに挑戦したかったから」。
Tokachi Mainichi Shimbun (Hokkaido)